外国人と日本の税制:居住者・非居住者とは
日本の所得税法では、外国人を「居住者」と「非居住者」に分けて課税します。この区分によって、課税される所得の範囲が大きく異なります。
居住者と非居住者の違い
| 区分 | 条件 | 課税対象 |
|---|---|---|
| 居住者 | 日本に住所がある、または1年以上日本に居住している | 全世界の所得 |
| 非居住者 | 上記以外(短期滞在など) | 日本国内源泉所得のみ |
居住者のさらなる分類:永住者と非永住者
居住者はさらに「永住者」と「非永住者」に分けられます。永住者とは、日本国籍保有者または永住権(永住ビザ)を持つ人です。それ以外の在留資格で滞在している外国人は「非永住者」に該当します。
在留期間が5年以下の非永住者は、原則として日本国内源泉所得と国外から送金を受けた所得のみに課税されます(国外で発生した所得のうち送金されなかった部分は課税対象外)。
確定申告が必要なケース
会社員(給与所得者)であっても、以下のケースに該当する場合は確定申告が必要です。
申告が必要・または有利なケース
| ケース | 申告の要否 |
|---|---|
| 給与所得が2,000万円を超える | 必須 |
| 2か所以上から給与を受け取っている(副業含む) | 必須 |
| 年の途中で退職・帰国した(年末調整を受けられなかった) | 必須(還付になる可能性大) |
| 医療費控除・住宅ローン控除などを受けたい | 任意(還付申告) |
| 給与から天引きされた税金が多すぎて還付を受けたい | 任意(還付申告) |
| ふるさと納税をした(ワンストップ特例不可) | 任意(還付申告) |
源泉徴収票の読み方
会社を退職したとき、または毎年1月頃に会社から「源泉徴収票」が交付されます。確定申告に必須の書類で、日本語で書かれているため読み方を覚えておきましょう。
源泉徴収票の主な項目と意味
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 支払金額 | その年の総収入(税引前・社会保険料差し引き前の総額) |
| 給与所得控除後の金額 | 所得金額(収入から給与所得控除を差し引いた後の金額) |
| 所得控除の額の合計額 | 基礎控除・扶養控除・社会保険料控除などの合計 |
| 源泉徴収税額 | 会社が給与から天引きした所得税の合計額 |
| 社会保険料等の金額 | 厚生年金・健康保険・雇用保険の天引き額の合計 |
還付申告の方法(税金が戻る)
以下のケースに該当する場合、確定申告(還付申告)をすることで払いすぎた所得税が戻ってきます。
還付が受けられる主なケース
| ケース | 説明 |
|---|---|
| 年の途中で退職・帰国 | 年末調整を受けていないため、源泉徴収税額が過多になっていることが多い |
| 医療費が年間10万円超 | 超過分の一部が医療費控除として認められる |
| 国外在住の扶養親族がいる | 条件を満たせば扶養控除が適用される(2022年改正後の要件に注意) |
| ふるさと納税(ワンストップ特例不可) | 在留外国人はワンストップ特例の利用不可のため確定申告が必要 |
還付申告の手順
必要書類の準備
源泉徴収票、マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード+身分証)、印鑑、還付金の振込口座の通帳またはキャッシュカードを用意します。
確定申告書の作成
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(https://www.keisan.nta.go.jp/)を使うと、画面の指示に従って入力するだけで申告書が完成します。e-Taxによるオンライン提出も可能です。
税務署への提出
e-Taxでオンライン提出するか、印刷して郵送または管轄の税務署に持参します。還付申告は申告期間(2月16日〜3月15日)以前の1月から提出可能です。
還付金の受取(1〜2ヶ月後)
申告書の受理後、通常1〜2ヶ月以内に指定口座に還付金が振り込まれます。e-Taxで提出した場合はより早く、約3週間程度で振り込まれることが多いです。
帰国前の準確定申告
年の途中で帰国(出国)する場合は、「納税管理人」を選任するか、または出国前に確定申告(準確定申告)を行う必要があります。
納税管理人の選任
出国後も日本に所得がある場合や申告が必要な場合、日本に住所を持つ人(家族・友人・税理士など)を「納税管理人」として選任し、税務署に届け出ることで、帰国後に代わりに申告・納税の手続きを行ってもらうことができます。
出国前申告のメリット
出国前に確定申告を行うことで、払いすぎた所得税の還付を早期に受けることができます。出国後に日本国内の口座が残っている場合は、帰国後も還付金が振り込まれるため、帰国直前まで口座を閉鎖しないことを強く推奨します。
準確定申告の申告期限
| 状況 | 申告期限 |
|---|---|
| 出国(帰国)する場合 | 出国日まで(出国前に申告)または納税管理人が代行 |
| 帰国後に非居住者として申告する場合 | 翌年3月15日(通常の確定申告期限) |
| 還付申告(過去分を遡る) | 申告対象年の翌年1月1日から5年以内 |