📋 還付申告で税金が戻る
最終更新: 2026年5月3日

外国人の確定申告
完全ガイド

源泉徴収票の読み方から還付申告・帰国前の準確定申告まで、外国人向けに詳しく解説

📋 このページの目次

  1. 外国人と日本の税制:居住者・非居住者とは
  2. 確定申告が必要なケース
  3. 源泉徴収票の読み方
  4. 還付申告の方法(税金が戻る)
  5. 帰国前の準確定申告
  6. よくある質問

外国人と日本の税制:居住者・非居住者とは

日本の所得税法では、外国人を「居住者」と「非居住者」に分けて課税します。この区分によって、課税される所得の範囲が大きく異なります。

居住者と非居住者の違い

区分条件課税対象
居住者日本に住所がある、または1年以上日本に居住している全世界の所得
非居住者上記以外(短期滞在など)日本国内源泉所得のみ

居住者のさらなる分類:永住者と非永住者

居住者はさらに「永住者」と「非永住者」に分けられます。永住者とは、日本国籍保有者または永住権(永住ビザ)を持つ人です。それ以外の在留資格で滞在している外国人は「非永住者」に該当します。

在留期間が5年以下の非永住者は、原則として日本国内源泉所得と国外から送金を受けた所得のみに課税されます(国外で発生した所得のうち送金されなかった部分は課税対象外)。

✅ ポイント:就労ビザ(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)で来日した外国人のほとんどは「非永住者の居住者」に該当します。日本国内の給与に対して所得税が課税され、確定申告の義務と権利(還付申告)が生じます。

確定申告が必要なケース

会社員(給与所得者)であっても、以下のケースに該当する場合は確定申告が必要です。

申告が必要・または有利なケース

ケース申告の要否
給与所得が2,000万円を超える必須
2か所以上から給与を受け取っている(副業含む)必須
年の途中で退職・帰国した(年末調整を受けられなかった)必須(還付になる可能性大)
医療費控除・住宅ローン控除などを受けたい任意(還付申告)
給与から天引きされた税金が多すぎて還付を受けたい任意(還付申告)
ふるさと納税をした(ワンストップ特例不可)任意(還付申告)
✅ 還付申告について:還付申告は5年間遡って申請可能です。払いすぎた税金を取り戻すことができるため、日本を離れた後でも申請できます(非居住者として申請)。年の途中で退職・帰国した方は、ほぼ確実に還付が受けられます。
⚠️ 注意:在留期間中に副業・フリーランス収入が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要です。無申告は無申告加算税(本来の税額の15〜20%)の対象になります。在留資格の更新審査にも影響する可能性があるため、必ず申告しましょう。

源泉徴収票の読み方

会社を退職したとき、または毎年1月頃に会社から「源泉徴収票」が交付されます。確定申告に必須の書類で、日本語で書かれているため読み方を覚えておきましょう。

源泉徴収票の主な項目と意味

項目説明
支払金額その年の総収入(税引前・社会保険料差し引き前の総額)
給与所得控除後の金額所得金額(収入から給与所得控除を差し引いた後の金額)
所得控除の額の合計額基礎控除・扶養控除・社会保険料控除などの合計
源泉徴収税額会社が給与から天引きした所得税の合計額
社会保険料等の金額厚生年金・健康保険・雇用保険の天引き額の合計
✅ 海外在住の家族を扶養控除できる場合があります:外国人の場合、配偶者や扶養家族が海外に在住していても、一定の条件を満たせば「非居住者である親族に係る扶養控除等」を申告できます。必要書類は「親族関係書類」(戸籍謄本等の翻訳付き)と「送金関係書類」(海外送金の明細など)です。控除を受けることで、課税所得が減り税金が安くなります。

還付申告の方法(税金が戻る)

以下のケースに該当する場合、確定申告(還付申告)をすることで払いすぎた所得税が戻ってきます。

還付が受けられる主なケース

ケース説明
年の途中で退職・帰国年末調整を受けていないため、源泉徴収税額が過多になっていることが多い
医療費が年間10万円超超過分の一部が医療費控除として認められる
国外在住の扶養親族がいる条件を満たせば扶養控除が適用される(2022年改正後の要件に注意)
ふるさと納税(ワンストップ特例不可)在留外国人はワンストップ特例の利用不可のため確定申告が必要

還付申告の手順

1

必要書類の準備

源泉徴収票、マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード+身分証)、印鑑、還付金の振込口座の通帳またはキャッシュカードを用意します。

2

確定申告書の作成

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(https://www.keisan.nta.go.jp/)を使うと、画面の指示に従って入力するだけで申告書が完成します。e-Taxによるオンライン提出も可能です。

3

税務署への提出

e-Taxでオンライン提出するか、印刷して郵送または管轄の税務署に持参します。還付申告は申告期間(2月16日〜3月15日)以前の1月から提出可能です。

4

還付金の受取(1〜2ヶ月後)

申告書の受理後、通常1〜2ヶ月以内に指定口座に還付金が振り込まれます。e-Taxで提出した場合はより早く、約3週間程度で振り込まれることが多いです。

✅ e-Tax(電子申告)について:e-Taxを利用するにはマイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードをお持ちでない場合は、印刷した申告書を税務署に郵送または持参してください。郵送の場合は申告書のコピーを手元に残しておくと安心です。

帰国前の準確定申告

年の途中で帰国(出国)する場合は、「納税管理人」を選任するか、または出国前に確定申告(準確定申告)を行う必要があります。

納税管理人の選任

出国後も日本に所得がある場合や申告が必要な場合、日本に住所を持つ人(家族・友人・税理士など)を「納税管理人」として選任し、税務署に届け出ることで、帰国後に代わりに申告・納税の手続きを行ってもらうことができます。

出国前申告のメリット

出国前に確定申告を行うことで、払いすぎた所得税の還付を早期に受けることができます。出国後に日本国内の口座が残っている場合は、帰国後も還付金が振り込まれるため、帰国直前まで口座を閉鎖しないことを強く推奨します。

準確定申告の申告期限

状況申告期限
出国(帰国)する場合出国日まで(出国前に申告)または納税管理人が代行
帰国後に非居住者として申告する場合翌年3月15日(通常の確定申告期限)
還付申告(過去分を遡る)申告対象年の翌年1月1日から5年以内
⚠️ 注意:出国後に確定申告をする場合は「非居住者」として申告することになります。非居住者には居住者としての各種控除(基礎控除・配偶者控除・扶養控除など)の一部が適用されない場合があります。控除の適用可否については、税務署または税理士に相談することをお勧めします。

よくある質問

日本語が読めなくても確定申告できますか?
国税庁の確定申告書等作成コーナーには英語版(英語のUIは部分的)があります。また、外国語に対応した税理士に相談する方法もあります。書類は日本語で作成する必要がありますが、税務署によっては英語でのサポートを提供しているところもあります。
帰国後でも日本の税金の還付を受けられますか?
はい、可能です。日本を離れた後でも5年以内であれば還付申告ができます。「納税管理人」を選任するか、帰国後に非居住者として申告書を提出します。郵送での申告も可能です。
副業収入を申告しなかったらどうなりますか?
年間20万円を超える副業所得(アルバイト以外の収入)を申告しない場合、税務署から問い合わせが来る可能性があります。無申告加算税(本来の税額の15〜20%)が課せられることがあります。在留資格の更新にも影響する可能性があるため、きちんと申告することをお勧めします。
海外在住の親・兄弟を扶養控除できますか?
2022年以降の改正により、非居住者である親族を扶養控除できるのは「年齢16歳以上」かつ「留学・障害者・38万円以上の送金を受けた方」に限定されました。親族関係書類(戸籍謄本等の翻訳付き)と送金関係書類(海外送金の明細など)の提出が必要です。
住民税も申告が必要ですか?
確定申告をすれば住民税の申告は原則不要です(確定申告のデータが市区町村に送られるため)。ただし住民税は前年の所得に対して翌年度に課税されるため、退職・帰国後に請求書が届くことがあります。

日本で働いた期間にもらえるお金を診断しよう

確定申告の還付金のほか、失業保険・年金脱退一時金など、外国人が受け取れる給付金を3分で診断できます。

無料で診断する →
無料で給付金を診断する →