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退職金とは
退職金とは、従業員が会社を退職する際に会社から支払われる一時金です。法律上の義務はなく、退職金制度があるかどうかは会社ごとに異なります。就業規則や退職金規程で定められています。
退職金の支払い方には、「退職一時金」(一括払い)と「退職年金」(分割払い)の2種類があります。また、近年は退職金制度の代わりに、または併用して「確定拠出年金(DC)」を導入する企業も増えています。
① 退職金制度があるかどうか(就業規則・退職金規程で確認)
② 企業型確定拠出年金(DC)への加入有無(給与明細や人事担当者に確認)
③ 個人型iDeCoへの加入有無・残高(iDeCo口座の金融機関に確認)
退職金の相場・計算方法
退職金の金額は会社によって大きく異なりますが、一般的な計算方法は「月給×勤続年数に応じた支給月数」です。
一般的な退職金の計算式
例:月給30万円・勤続10年・自己都合退職の場合
≒ 30万円 × 10ヶ月 × 0.9 = 270万円
勤続年数別の支給月数の目安
| 勤続年数 | 大企業(目安) | 中小企業(目安) |
|---|---|---|
| 3年 | 2〜3ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| 5年 | 4〜6ヶ月 | 2〜4ヶ月 |
| 10年 | 10〜15ヶ月 | 6〜10ヶ月 |
| 20年 | 25〜35ヶ月 | 15〜22ヶ月 |
| 30年 | 40〜50ヶ月 | 25〜35ヶ月 |
退職理由による係数
| 退職理由 | 係数(目安) |
|---|---|
| 会社都合(解雇・倒産等) | 1.0〜1.3倍 |
| 定年退職 | 1.0倍(基準) |
| 自己都合退職(勤続10年以上) | 0.8〜0.9倍 |
| 自己都合退職(勤続5年未満) | 0.5〜0.7倍 |
※勤続年数・退職理由による計算方法は会社ごとに異なります。就業規則・退職金規程で必ず確認してください。
退職金の税金(退職所得控除)
退職金は「退職所得」として所得税・住民税の課税対象になりますが、「退職所得控除」という非常に大きな控除があるため、実際の税負担は少ない場合が多いです。
退職所得控除の計算式
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年) |
退職所得控除の例
| 勤続年数 | 退職所得控除額 | 課税対象になる退職金の目安 |
|---|---|---|
| 5年 | 200万円 | 200万円を超える部分の1/2 |
| 10年 | 400万円 | 400万円を超える部分の1/2 |
| 20年 | 800万円 | 800万円を超える部分の1/2 |
| 30年 | 1,500万円 | 1,500万円を超える部分の1/2 |
確定拠出年金(企業型DC)の扱い
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が毎月一定額を積み立て、従業員が自分で運用する年金制度です。退職時には積み立てた資産をどう扱うかを決める必要があります。
転職・退職時の選択肢
| 選択肢 | 概要 | 期限 |
|---|---|---|
| 転職先のDCに移換 | 転職先の企業型DCに資産をそのまま移す | 転職後速やかに |
| iDeCoに移換 | 個人型iDeCoに資産を移して継続運用 | 離職翌日〜6ヶ月以内 |
| 国民年金基金連合会に移換(自動移換) | 手続きを何もしないと自動で移換されるが、手数料がかかり運用もできない | 6ヶ月経過後に自動 |
iDeCo(個人型確定拠出年金)の扱い
iDeCoは個人で掛け金を拠出・運用する私的年金制度です。在職中に加入していた場合、退職後は「加入者」から「運用指図者」に変更手続きが必要です。
退職後のiDeCoの取り扱い
転職先で企業型DCに加入する場合は、iDeCoの掛け金拠出を一時的に停止するか、iDeCo運営管理機関に確認が必要です(企業型DCとiDeCoの掛け金には上限があります)。転職先に企業型DCがない場合は、引き続きiDeCoに拠出できます。
受け取り方と税金
iDeCoの資産は原則として60歳以降に受け取り可能です。一時金で受け取る場合は「退職所得」として退職所得控除が適用され、年金形式で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されます。将来の受け取り方を考慮して、転職先での制度設計を決めましょう。
退職金関連の確認チェックリスト
□ 退職金制度の有無(就業規則・退職金規程)
□ 退職金の支給額の目安(人事部門に確認)
□ 企業型DC加入の有無・残高
□ iDeCo加入の有無・残高
□ 「退職所得の受給に関する申告書」の提出
□ 退職金の支給時期(最終給与と合わせて?別途?)
退職後に行う手続き:
□ 企業型DCの移換手続き(6ヶ月以内にiDeCo等へ)
□ iDeCoの加入者種別変更(転職先で企業型DC加入の場合)
□ 退職金が未確定の場合は会社への問い合わせ