教育訓練給付金とは
教育訓練給付金は、働く人々の能力開発とキャリア形成を支援するために国(雇用保険制度)が設けた給付金制度です。厚生労働省が指定した教育訓練講座を修了した場合、受講費用の一部が支給されます。
転職活動中はもちろん、在職中でも受給できるのが大きな特徴です。転職に向けてスキルアップしながら、費用の一部を国に負担してもらえるため、転職の合間の時間を有効活用できます。
① 在職中でも退職後でも受給できる(雇用保険加入歴が条件)
② 講座費用の20〜70%(最大56万円)が支給される
③ 対象講座が幅広い(IT・語学・介護・医療・ビジネス系など)
3種類の給付金と給付率
一般教育訓練
給付金
20%
上限10万円。英語・簿記・ITなど幅広い講座が対象。最も利用しやすい。
特定一般教育訓練
給付金
40%
上限20万円。即戦力性の高い資格(介護職員初任者研修、大型免許など)が対象。
専門実践教育訓練
給付金
50〜70%
上限56〜112万円。看護師・ITエンジニア養成など長期・高度な訓練が対象。
専門実践教育訓練給付金の詳細
専門実践教育訓練は給付率・上限額が最も高い給付です。受講中は受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、受講修了後に資格取得等の目標を達成し、かつ就職等した場合には追加で20%(年間上限16万円)が支給されます。
訓練期間は最長4年、支給額の上限は最大224万円(4年間)に上ります。
給付金の対象となる主な講座ジャンル
| 分野 | 主な資格・講座例 | 給付タイプ |
|---|---|---|
| IT・デジタル | AWS認定・ITパスポート・Pythonプログラミング・情報処理技術者 | 一般〜専門実践 |
| 語学 | TOEIC対策・英会話スクール・中国語検定 | 一般 |
| 会計・ファイナンス | 簿記2〜3級・FP2〜3級・税理士・社会保険労務士 | 一般〜専門実践 |
| 介護・福祉 | 介護職員初任者研修・介護福祉士・社会福祉士 | 特定一般〜専門実践 |
| 医療・看護 | 看護師・准看護師・診療放射線技師・理学療法士 | 専門実践 |
| ビジネス | MBA・中小企業診断士・キャリアコンサルタント | 一般〜専門実践 |
| 美容・調理 | 美容師・調理師・製菓衛生師 | 専門実践 |
| 運輸・物流 | 大型自動車免許・フォークリフト技能講習 | 特定一般 |
受給条件
| 種類 | 雇用保険加入歴の条件 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講開始日時点で雇用保険に加入中(在職者)または離職後1年以内。支給要件期間が通算1年以上(初回は1年以上の加入、2回目以降は3年以上) |
| 特定一般教育訓練 | 同上。支給要件期間が通算1年以上 |
| 専門実践教育訓練 | 在職中または離職後1年以内。支給要件期間が通算3年以上(初回は2年以上の場合あり) |
対象講座の探し方
教育訓練給付の対象講座は、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム(通称:JOBTAG)」で検索できます。全国で約14,000以上の講座が登録されています。
検索のポイント
「取得したい資格名」「スキル名」「地域」「受講形態(通学/オンライン)」などで絞り込めます。最近はオンライン受講可能な講座も増えており、転職活動と並行して受講しやすくなっています。
キャリアコンサルタントへの相談
専門実践教育訓練給付を受給する場合は、受講前にハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」を受けることが必須です。自分の職業訓練の必要性や目標を整理するためにも、無料で利用できるハローワークのキャリアコンサルティングを活用しましょう。
申請手続きの流れ
給付金の種類によって申請タイミングが異なります。
一般・特定一般教育訓練の場合
受講修了後1ヶ月以内にハローワークで申請します。必要書類:教育訓練給付金支給申請書、教育訓練修了証明書、領収書、本人確認・住所確認書類、雇用保険被保険者証など。
専門実践教育訓練の場合
受講中は6ヶ月ごとに支給申請を行います(受講中給付)。修了後に資格取得・就職した場合は、修了日翌日から30日以内に追加支給申請を行います。受講開始1ヶ月前までに「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、「受給資格確認申請」をハローワークで行うことが必要です。
転職活動中の活用術
失業保険と併用できる
失業保険(基本手当)を受給しながら、公共職業訓練や求職者支援訓練を受講することが可能です。ただし、教育訓練給付金と失業保険は別の制度です。特定の条件下では「教育訓練支援給付金」として追加給付も受けられます。
転職に有利なスキルを取得しながら給付を受ける
転職活動中にITスキル(プログラミング、クラウド、データ分析)やビジネス系資格(簿記、FP、中小企業診断士)を取得することで、転職の競争力が高まると同時に給付金も受け取れます。特にIT系は多くの講座が対象となっており、転職市場での需要も高いため一石二鳥です。
在職中から計画的に申請する
退職前から受講を開始しておくと、受講期間中の収入を維持しながらスキルアップができます。会社の人材育成制度(会社負担の研修)との重複は対象外ですが、会社が対象としていない講座であれば在職中でも利用できます。