💸 転職活動中でも受給できる

雇用保険の基本手当(失業給付)
完全ガイド

転職の合間にもらえる最大の給付金。受給条件・金額・手続きをわかりやすく解説します

📋 このページの目次

  1. 雇用保険の基本手当とは
  2. 受給条件・対象者
  3. 受給額の計算方法
  4. 給付日数の一覧
  5. 手続きの流れ
  6. 転職者が知っておくべきポイント
  7. よくある質問

雇用保険の基本手当とは

雇用保険の基本手当(いわゆる「失業給付」「失業保険」)とは、雇用保険に加入していた労働者が離職し、積極的に求職活動をしているにもかかわらず就職できない状態にある期間、生活の安定と再就職を支援するために支給される給付金です。

転職活動中の方にとって、これは「転職の合間にもらえる最も大きな給付金」です。在職時の賃金の50〜80%が、最大で360日分支給されます。自己都合退職でも条件を満たせば受給できます。

✅ ポイント:「転職先が決まってから失業保険の手続きをしよう」と思っている方は注意が必要です。受給できる期間(受給期間)は原則として離職の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、残りの給付日数があっても受給できなくなります。退職後はできるだけ早くハローワークで手続きをしましょう。

失業保険の正式名称について

「失業保険」という言葉はよく使われますが、正確には「雇用保険の基本手当」が正式な名称です。雇用保険は失業給付以外にも、育児休業給付や教育訓練給付なども含む制度全体を指します。本ページでは一般的に広く使われている「失業給付」「失業保険」という言葉も併用しています。

転職活動と失業保険は両立できる

転職活動中でも、ハローワークに求職申込みをして「積極的に就職活動をしている」状態であれば、失業保険を受給しながら転職活動を続けることができます。これは非常に重要なポイントで、転職活動に専念するための生活費として活用できます。

ただし「すでに転職先が決まっている」「内定を受け取った」という状態では受給できません。また、在職中(退職前)には手続きができないため、退職後にハローワークへ行く必要があります。

受給条件・対象者

失業給付を受け取るためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

基本的な受給要件

① 雇用保険に加入していた
在職中に雇用保険に加入していたこと(給与明細の「雇用保険料」で確認できます)。

② 一定期間以上加入していた
原則として、離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること。会社都合退職・特定理由離職者の場合は、離職前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上でOK。

③ 失業の状態にある
就職する意思と能力があるにもかかわらず、現在就職していない状態。

④ 積極的に求職活動をしている
ハローワークに求職申込みをし、求職活動の実績を4週間ごとに報告していること。

雇用形態別の注意点

雇用形態受給の可否条件
正社員(自己都合)○ 受給可離職前2年間で12ヶ月以上加入
正社員(会社都合・解雇)○ 受給可離職前1年間で6ヶ月以上加入
契約社員・派遣社員○ 受給可週20時間以上勤務で同条件
パート・アルバイト△ 条件次第週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあった場合
個人事業主・フリーランス× 受給不可雇用保険に加入できないため
⚠️ 注意:パートやアルバイトで「知らないうちに雇用保険に加入していなかった」というケースがあります。週20時間以上働いていた場合は本来加入義務がありますので、給与明細を確認し、未加入だった場合はハローワークに相談することで2年さかのぼって加入手続きができる場合があります。

給付制限(自己都合退職の場合)

自己都合退職の場合、ハローワークへの申請から2ヶ月間(5年のうち2回目は3ヶ月)は「給付制限期間」として失業給付を受け取れない期間があります。この期間中も求職活動を続けることが大切です。

一方、会社都合退職(解雇・リストラ)や特定の理由による退職(ハラスメント・育児・介護など)の場合は、給付制限期間なしに受給が始まります。

受給額の計算方法

失業給付の1日あたりの金額を「基本手当日額」と呼びます。これは離職前6ヶ月間の平均賃金(賃金日額)をもとに計算されます。

賃金日額の計算

賃金日額 = 離職前6ヶ月間の賃金総額(賞与等を除く) ÷ 180

基本手当日額の計算

賃金日額に給付率(50〜80%)をかけたものが基本手当日額です。給付率は賃金日額が低いほど高く(最大80%)、高いほど低く(最低50%)なる仕組みです。

賃金日額(目安)月収換算(目安)給付率
5,110円以下約15万円以下80%
5,110〜12,580円約15〜38万円80〜50%(逓減)
12,580円超約38万円超50%

上限額(2024年度)

年齢基本手当日額の上限月換算(30日)
30歳未満6,945円約20.8万円
30〜44歳7,715円約23.1万円
45〜59歳8,490円約25.5万円
60〜64歳7,294円約21.9万円
💡 計算例:月収30万円・35歳の場合
賃金日額 = 30万円 ÷ 30日 = 10,000円
給付率 ≒ 65%(逓減計算)
基本手当日額 ≒ 6,500円
月あたりの受給額 ≒ 6,500円 × 30日 = 約19.5万円

給付日数の一覧

給付日数は、退職理由・年齢・雇用保険の加入期間によって決まります。

自己都合退職の場合

加入期間全年齢共通
1年未満給付なし(12ヶ月未満のため)
1〜10年未満90日
10〜20年未満120日
20年以上150日

会社都合退職(特定受給資格者)の場合

加入期間30歳未満30〜44歳45〜59歳60〜64歳
1年未満90日90日90日90日
1〜5年90日90日90日90日
5〜10年120日150日180日150日
10〜20年180日240日240日180日
20年以上240日270日330日240日
✅ ポイント:自己都合退職でも「正当な理由のある自己都合退職」(特定理由離職者)に該当する場合は、給付制限なしまたは日数の優遇が受けられます。ハラスメントや体調不良、家族の介護・看護、配偶者の転勤帯同などが該当します。ハローワークで詳細を確認しましょう。

手続きの流れ

1

離職票を受け取る

退職後10〜14日を目安に会社から「離職票-1」「離職票-2」が郵送されます。届かない場合は会社の人事部門に催促しましょう。離職票は失業給付の手続きに必須の書類です。

2

ハローワークで求職申込み・受給資格の申請

住所地を管轄するハローワークへ。持参するもの:離職票-1・2、マイナンバーカード(または通知カード+身分証)、証明写真2枚(3cm×2.5cm)、印鑑、本人名義の預金通帳。

3

待機期間(7日間)

申請後の7日間は「待機期間」として給付が発生しません。この期間は就労できません。自己都合退職の場合はここからさらに2ヶ月の給付制限期間があります。

4

雇用保険説明会への参加

ハローワークから指定された日時に説明会(約2時間)に参加します。受給中のルール・求職活動の進め方などを学びます。オンライン実施のハローワークもあります。

5

求職活動・認定日ごとに受給

4週間に1度の認定日にハローワークを訪問し、求職活動の実績(求人への応募・ハローワークでの相談など)を報告します。認定されると約1週間後に指定口座に振り込まれます。

6

就職決定・再就職手当の申請

転職先が決まったら、速やかにハローワークに就職の届け出をします。給付日数が3分の1以上残っていれば「再就職手当」が受け取れます。

転職者が知っておくべきポイント

受給期間の延長制度

病気・ケガ・妊娠・出産・育児などですぐに働けない場合、受給期間を最大3年延長できます(原則1年+3年=最大4年)。延長の申請はハローワークで行います。

アルバイトをしながらの受給

受給中にアルバイト・パートをすることは可能ですが、週20時間以上または1日4時間以上働くと「就労」とみなされ、その日は給付が発生しません(減額または不支給)。少額の短期バイトは申告すれば可能なケースがあります。必ずハローワークに申告しましょう。

健康保険・年金の手続き

退職後は会社の健康保険から外れるため、「国民健康保険への加入」または「前職の健康保険の任意継続」を選択する必要があります。保険料の比較をしてから選びましょう。会社都合退職の場合は国保が最大7割軽減されるケースがあります(住民税・国保軽減ガイドへ)。

確定申告について

失業給付(基本手当)は非課税のため、確定申告は不要です。ただし、年途中で退職して年末調整を受けていない場合は、翌年の確定申告で源泉徴収された所得税が還付される可能性があります。

転職活動と受給の両立のコツ

認定を受けるには4週間に2回以上の求職活動実績が必要です(ハローワークによって異なる場合あり)。求人への応募、ハローワークでの職業相談、就職セミナーへの参加などが実績として認められます。転職エージェントへの登録も多くの場合実績として認められます。

よくある質問

転職先が決まった後でも失業保険をもらえますか?
内定が決まった時点で「就職した」とみなされるため、それ以降の基本手当は受け取れません。ただし、給付日数の3分の1以上が残っている場合は「再就職手当」として残日数の60〜70%を一括で受け取れます。早期就職ほど得になる仕組みです。
退職してから手続きまで時間が空いてしまいました。大丈夫ですか?
受給期間は原則「離職の翌日から1年間」です。この期間を過ぎると残日数があっても受給できなくなります。また、待機期間や給付制限期間も含まれるため、できるだけ早めに手続きをすることをお勧めします。
ハローワークはどこに行けばいいですか?
住民票の住所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に行く必要があります。「ハローワーク ○○市」で検索するか、厚生労働省のハローワーク所在地検索から確認できます。現住所と住民票の住所が異なる場合は注意が必要です。
転職エージェントを使いながら失業保険はもらえますか?
転職エージェントへの登録・面談は求職活動として認められます。ただし、転職エージェントから紹介を受けた企業に内定が出た時点で就職とみなされ、基本手当の受給は終了します。
失業保険の申請に必要な書類をなくした場合は?
離職票は会社が発行するものなので、会社に再発行を依頼します。ハローワーク発行の書類を紛失した場合はハローワークで再発行を申請できます。マイナンバーカードがあると手続きがスムーズです。

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