失業保険と扶養
最終更新: 2026年5月17日

失業保険受給中は扶養に入れる?
日額3,612円の壁・いくらまでOK【2026年】

健康保険の扶養条件・税の扶養との違い・給付制限中の活用法まで徹底解説

目次

  1. 結論:日額3,612円が境界線
  2. 健康保険の扶養:いくらまで入れる?
  3. 月収別・扶養に入れるか判定表
  4. 給付制限中(1ヶ月)は扶养に入れる
  5. 税の扶養(配偶者控除)との違い
  6. 受給中の扶養切り替えスケジュール
  7. よくある質問

結論:日額3,612円が境界線

失業保険(基本手当)を受給中に配偶者や親の健康保険の扶養に入れるかどうかは、基本手当の「日額」で決まります。

✅ 扶養に入れる

基本手当の日額が 3,611円以下の場合
年収換算で130万円未満(3,611円×365日≒131.8万円の計算上の境界)に相当するため、受給中も扶養のまま

❌ 扶養から外れる必要がある

基本手当の日額が 3,612円以上の場合
年収換算130万円以上とみなされ、受給開始から扶養の対象外。健康保険を国民健康保険(または任意継続)に切り替える必要がある

注意:健康保険組合によって判断基準が異なる場合があります。「日額3,612円」は協会けんぽ(全国健康保険協会)の基準です。組合健保(大企業の健保組合等)は独自基準を設けている場合があるため、配偶者の勤務先の健保組合に確認してください。

健康保険の扶養:いくらまで入れる?

健康保険の扶養(被扶養者)に入るためには、年収が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)である必要があります。失業保険の受給中はこの年収要件を「日額×365日」で日割りして判断します。

基本手当の日額年収換算(日額×365)扶養の可否
3,611円以下131.8万円未満✅ 扶養に入れる
3,612円以上131.8万円以上❌ 扶養から外れる
なぜ「3,612円」なのか:
130万円 ÷ 12ヶ月 = 月108,333円。月収108,333円を日割りすると108,333円 ÷ 30日 ≒ 3,611円。これを1円でも超えると年収130万円以上とみなされます。

第3号被保険者(国民年金)との関係

配偶者が会社員・公務員の場合、健康保険の扶養と同時に国民年金の第3号被保険者にもなれます。第3号は保険料ゼロで国民年金に加入できる制度です。失業保険の日額が3,612円以上だと、第3号からも外れる必要があり、国民年金第1号に切り替えて月額16,980円(2026年度)を自分で払うことになります。

月収別・扶養に入れるか判定表

退職前の月収(総支給額)から基本手当日額の目安を逆算し、受給中の扶養可否を判定します。実際の日額はハローワークの受給資格者証で確認してください。

退職前の月収(目安)賃金日額(目安)基本手当日額(目安)受給中の扶養
〜10万円約3,333円約2,667円✅ 入れる
〜12万円約4,000円約3,200円✅ 入れる
〜13万円約4,333円約3,467円✅ 入れる
約13.5万円(境界)約4,500円約3,600円△ ギリOK(要確認)
〜15万円約5,000円約3,818円❌ 外れる必要
〜20万円約6,667円約4,867円❌ 外れる必要
20万円以上6,667円〜4,867円〜❌ 外れる必要
正確な日額の確認方法:ハローワークで手続き後に発行される「雇用保険受給資格者証」の「基本手当日額」欄で確認できます。手続き前に確認したい場合は給付額シミュレーターで目安を試算してください。

給付制限中(1ヶ月)は扶養に入れる

自己都合退職の場合、ハローワーク申請後に7日間の待機期間+1ヶ月の給付制限期間があります。この期間は失業保険の受給が始まっていないため、日額は発生せず「収入ゼロ」とみなされます。つまり給付制限期間中は扶養に入れます

給付制限期間(2025年4月改正):2025年4月以降に離職した自己都合退職者は給付制限が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。給付制限中のみ扶養に入る場合、その期間は1ヶ月程度です。

賢い切り替え戦略

日額が3,612円以上になる場合も、以下のように切り替えることで健康保険料の節約が可能です。

退職〜ハローワーク申請
扶養に入る収入ゼロ
退職後すぐに配偶者の扶養に入る。保険料ゼロで健康保険・年金第3号が使える。
待機7日+給付制限1ヶ月
引き続き扶養のまま収入ゼロ
給付制限中は受給がないため扶養の条件を満たす。そのまま扶養に入り続けられる。
給付開始(初回認定日以降)
日額を確認して判断要確認
日額3,612円以上 → 扶養を外れて国民健康保険に切り替え。日額3,611円以下 → 扶養のまま継続OK。
受給終了・就職
扶養に戻る or 就職先の健保へ
未就職なら再度扶養に入れる。就職したら就職先の社会保険に加入。

税の扶養(配偶者控除)との違い

「扶養」には①健康保険の扶養②税の扶養(配偶者控除)の2種類があります。失業保険の影響は全く異なります。

種類判定基準失業保険の影響
健康保険の扶養
(社会保険上)
日額3,612円未満
(年収130万円未満相当)
影響あり
日額が基準を超えると外れる
配偶者控除
(税法上)
年収103万円以下
(給与・事業収入等)
影響なし
失業保険は非課税で収入に含まない
配偶者特別控除
(税法上)
年収103万〜201万円
(段階的に控除額減)
影響なし
失業保険は非課税で収入に含まない
ポイント:失業保険(基本手当)は所得税が非課税です。そのため、配偶者控除・配偶者特別控除の年収計算には含まれません。失業保険をいくら受け取っても、配偶者の「103万円の壁」には影響しません。パート・アルバイトの収入がある場合はその収入で判断します。
注意:在職中のパート・アルバイト収入は年収に含まれます。退職前に給与収入が103万円を超えている場合は、失業保険と関係なく配偶者控除が使えなくなる場合があります。

手続きの流れ:扶養の入り直し

扶養に入る手続き(退職後すぐ)

  1. 配偶者の勤務先(総務・人事部門)に「扶養追加」を申請
  2. 被扶養者異動届・退職証明書・離職票などを提出
  3. 健康保険証が新しく発行される(1〜2週間)
  4. 国民年金の第3号被保険者の届け出も同時に行われる場合が多い

給付開始後に扶養から外れる手続き(日額3,612円以上の場合)

  1. 配偶者の勤務先に「扶養削除」を申請(給付開始日を伝える)
  2. 健康保険の扶養資格喪失証明書を受け取る
  3. 市区町村の窓口で国民健康保険に加入手続き(14日以内)
  4. 国民年金第1号の切り替えも同時に行う
タイミングは「受給開始日」から:扶養を外れるのは給付制限が終わって実際に受給が始まった日からです。認定日ではなく「受給資格者証の支給開始日」を基準に手続きしてください。

よくある質問

失業保険を受給中でも扶養に入れますか?
基本手当の日額が3,611円以下であれば、受給中でも配偶者の健康保険の扶養に入れます。日額3,612円以上の場合は年収換算で130万円を超えるため、受給中は扶養から外れる必要があります。月収13万円以下で退職した方は日額が3,612円を下回るケースが多く、扶養に入れる可能性が高いです。
失業保険の日額3,612円はどのくらいの月収に相当しますか?
日額3,612円は退職前の月収で約13〜14万円相当です。月収14万円以上で退職した方は日額が3,612円を超えるケースが多く、受給中は扶養に入れません。ただし、給付率は月収によって異なるため、ハローワークで実際の日額を確認してから判断してください。
給付制限中(無収入の期間)は扶養に入れますか?
はい、入れます。自己都合退職後の給付制限期間(1ヶ月)は失業保険の受給が始まっていないため収入ゼロとみなされ、扶養に入ることができます。給付が開始したタイミングで日額を確認し、3,612円以上であれば扶養から外れて国民健康保険に切り替えてください。
失業保険は税金の計算(配偶者控除)に影響しますか?
影響しません。失業保険(基本手当)は所得税が非課税のため、配偶者控除・配偶者特別控除の収入計算に含まれません。年収103万円の壁は給与収入や事業収入で判定されます。失業保険の受給額がいくらであっても、配偶者の控除額には関係ありません。
失業保険受給終了後は扶養に戻れますか?
戻れます。受給終了後に就職していない場合は、収入がなくなるため再度扶養の条件を満たします。配偶者の会社の健康保険組合に「扶養追加」の手続きをすれば、保険料ゼロの扶養に戻ることができます。手続き書類は配偶者の勤務先から取得してください。
扶養に入らず国民健康保険に加入するとどのくらい保険料がかかりますか?
国民健康保険料は前年の所得に応じて算出されます。年収300万円で退職した場合、おおよそ月2〜4万円程度が目安です(地域・家族構成によって異なります)。会社都合退職の場合は最大7割の軽減制度があります。詳しくは国保・任意継続の比較ページをご確認ください。
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執筆:Morael編集部

本記事は、退職・転職にともなう公的給付や手続きの情報を発信するMorael編集部が、公的機関の一次情報をもとに作成・更新しています。金額・条件は目安であり、確定額や適用可否は各行政機関・専門家にご確認ください。

参考:厚生労働省ハローワーク

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